2025/12/23 18:04

― 菌の液を使った土壌環境改善の一例 ―


ネコブセンチュウは「治す」のが難しい土壌害虫

ネコブセンチュウは、
ウリ科作物を中心に多くの作物で問題になる土壌害虫です。

根にコブを形成し、

  • 吸水・養分吸収の低下

  • 日中の萎れ

  • 収量低下・草勢の急激な悪化

を引き起こします。

一度多発すると、
農薬でも完全な回復は難しいのが現場の実情です。


今回の事例概要 ― 被害が出てからの対応

今回の事例は、
キュウリ栽培中にネコブセンチュウ被害が発生した圃場でのものです。

すでに

  • 萎れ症状が見られる

  • 根部にコブが確認できる

という状態からのスタートでした。


行った対策 ― 菌の液と糖源資材の併用

今回行った対策は、
土壌環境の改善を目的とした対応です。

使用した考え方

  • 土の中の微生物バランスを整える

  • 根の再生・更新を促す

  • センチュウが優位になりにくい環境をつくる

その一環として、
微生物資材「菌の液 を株元に潅水しました。

※ 菌の液は、センチュウを直接駆除する資材ではありません。


施用後の変化 ― 約2週間後の状態

施用後、すぐに劇的な変化が出たわけではありません。

しかし約2週間後、

  • 萎れが出にくくなった株が増え

  • 新しい根の発生が確認でき

  • 全体として草勢が持ち直す傾向

が見られました。

結果として、
被害が進行していた株の約7割が立て直したという報告がありました。


なぜ回復傾向が出たのか

この事例で重要なのは、
「ネコブセンチュウが消えた」という話ではありません。

考えられるポイントは以下です。

  • 新しい根が発生し、吸水・養分吸収が回復した

  • 微生物の活動により、土壌環境が安定した

  • センチュウが優位になりにくいバランスに近づいた

菌の液は、
時間のかかる土壌改良を“加速させる一要素”

として働いた可能性があります。


注意点 ― 菌の液は「特効薬」ではない

ここで大切なことがあります。

菌の液は、
ネコブセンチュウを駆除する農薬ではありません。

また、

  • どの圃場でも同じ結果が出る

  • 短期間で必ず回復する

というものでもありません。

あくまで
土壌環境を整え、回復しやすい状態を作るための資材
という位置づけです。


再発防止には「日常の土づくり」が不可欠

今回のような回復事例があったとしても、
根本対策は別にあります。

  • 作付け設計

  • 排水対策

  • 有機物の入れ方

  • 輪作・休ませ方

こうした基本の積み重ねがあってこそ、
菌の液の効果も活きてきます。


まとめ ― 菌の液の役割とは

今回の事例から言えることは、

  • 菌の液は「治す資材」ではない

  • 土壌環境を整え、回復を後押しする資材

  • 時間を味方につけるための選択肢

ということです。

ネコブセンチュウ対策においても、
短期的な即効性ではなく、
中長期での土の安定をどう作るか
が重要になります。

菌の液は、
そのための一つの資材として位置づけています。

今回の記事で使用された資材👇