2026/01/05 22:40

― 原料準備から完熟堆肥ができるまで ―



 

堆肥づくりは「原料準備」で8割決まる

堆肥づくりで一番重要なのは、実は発酵工程よりも原料準備です。

どんな原料を、どんな割合で混合するかによって、
発酵の進み方も、仕上がりの質も大きく変わります。


原料の準備と混合(発酵前工程)

使用する原料

  • 堆肥原料(家畜ふん堆肥など)植物系有機物(稲藁・ススキ・籾殻など)

炭素分の多い植物系有機物を堆肥原料に混合することで、
C/N比(炭素/窒素比)を調整し、発酵が進みやすい環境を作ります。

この段階で稲藁やススキを混合し、そのまま発酵工程に入ります。



▶ 原料準備のポイント

  • C/N比は20前後を目安に調整

  • **水分量は60〜70%**を目安

  • 水分調整・C/N調整に
    稲藁・ススキ・籾殻を活用

※ 雑草を使うことも可能ですが、種子処理には注意が必要です。
60℃以上で3日間発酵させることで雑草種子の死滅が期待できます。



切り返し(1次発酵)

原料を混合したら、酸素を供給するために切り返しを行います。

1回切り返すと発酵が進み、1週間ほどで発酵が落ち着くため、
再度酸素を送り込む必要があります。

1次発酵の期間

  • 約1ヶ月


▶ 1次発酵のポイント

  • 切り返し頻度:週1回

  • 発酵温度:60〜70℃

  • 水分は追加しない

  • 発酵温度は75℃までが理想

※ 温度を上げすぎると微生物が失活しやすくなります。



切り返し(2次発酵)と温度・水分調整

1次発酵が終わったら、2次発酵に進みます。

2次発酵でも1週間〜10日に1回の切り返しを行います。

この段階で、水分が抜けてきたタイミングで
**「菌の液」**を使った加水を行います。



▶ 菌の液の使用方法(2次発酵)

  • 希釈倍率:10倍

  • 原料1tあたり

    • 水:20L

    • 菌の液:2L

  • 混合して散水

これにより、発酵が再び活性化し、完熟堆肥に近づいていきます。



▶ 2次発酵のポイント

  • 菌の液は2次発酵から使用

  • 発酵温度:60〜70℃目安

  • 匂い・手触りを確認する

※ 原料によって温度・水分の変化は異なります。作っている本人が感覚で覚えること
 堆肥づくりでは非常に重要です。



完熟堆肥の完成条件

次の条件を満たせば、土づくりに使える完熟堆肥の完成です。

  • 水分量:40〜50%

  • 発酵温度:40℃以下

  • アンモニア臭などの刺激臭がない

  • 手で握ってもベタつかず、サラサラに近い感触



▶ 完熟堆肥のチェックポイント

  • 発酵温度が40℃以下になっている

  • アンモニア臭がない

  • 「乾燥堆肥」と混同しない

  • 感覚で完熟状態を覚える

※ 水分が少ない=完熟ではありません。発酵の終わりが重要です。


堆肥づくりで一番大切なこと

堆肥づくりは、数値や工程も大切ですが、最終的には

  • 匂い

  • 温度

  • 手触り

といった五感で判断できるようになることが一番の近道です。



まとめ

  • 原料準備でC/N比と水分を整える

  • 1次発酵は約1ヶ月、60〜70℃

  • 2次発酵で菌の液を使い発酵を加速

  • 完熟の判断は温度・匂い・感触

  • 堆肥は「作る人の感覚」が品質を決める

堆肥づくりは、土づくりの土台そのものです。
時間をかけて、使える堆肥を作ることが結果につながります。


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